大量のデータを元にした機械学習はさまざまな分野で使用されだしていますが、自然言語処理も飛躍的に発展しており、昨年は GPT-3.5 を元にした OpenAI の ChatGPT が公開され、大きな話題を呼び、各面に影響を与えています.
今回は、レポート文や論文作成などに用いることの出来る「AI」による会話ツールや文書校正ツールをいくつか紹介したいと思います.
ChatGPT
まずはなんといっても話題の ChatGPT です.
OpenAI が開発した、GPT-3.5 を元に会話が出来るツールです. 英語だけでなく、日本語などにも対応しています. 精度は英語が良いようですね.
このツールに問いかけると、「AI」が返答を生成してくれ、会話ができます. さまざまなことを尋ねることができますが、特にプログラミングコードを書いてもらうなどは便利です.
ただし、2023年7月現在、無料版では 2021年以降のインターネット情報にアクセスできていないことから、アップデートした情報は得られないことや、確率論で回答したり曖昧な回答もあること、文献検索などでは存在しない文献を呈示するなど問題があることも分かっていますので、注意して使う必要があります.
インターネットにアクセスできるようにする Chrome 用のエクステンション WebChatGPT が開発されたり、Windows のデスクトップ上で使えるようにしたアプリもすでに開発した人が出てきています(サードパーティアプリであり、セキュリティなど注意).
ChatGPT に入力する会話のコマンド集なども作られたり、とても熱いですね.
Perplexity
ChatGPT は無料版ではインターネット検索ができませんが、それができる対抗馬として Perplexity AI が公開されました. かなり優れた「AI」会話サービスで、英語での入力にはなりますが、引用(cite)を指示すれば、PubMed などから引用文献を引いて文を生成してくれます. アブストラクトなどを作ったり、文献を探すのにもかなり使えそうです.
WRITER
上記のような「AI」による文の作成サービスは、かなり沢山出てきています. Jenni AI、Rytr などと検索すればいろいろみつかると思います.
こういった「AI」が生成した文は、今後教育機関に提出されるレポート類や、学術書類、そしてインターネットコンテンツにも溢れることは間違い無いでしょうが、ヒトへの教育目的やオリジナリティの問題もありますし、ネットにそういったコンテンツが溢れることを Google は望まないだろうとの推測もあります.
そういった中で、「AI」が生成した文であるかどうかを判別する試みも進んできています. ここで紹介する Writer の AI vontent detector は、文を入力すると、それが「AI」によって書かれたものか、人が書いたものかを推定してくれます.
DeepL Write、QuillBot AI、Hemingway Editor
会話だけでなく文書の校正や言い換え(パラフレージング)に特化した「AI」サービスも多く出てきています. DeepL の追加β版サービスとして、文の校正・パラフレージングをしてくれる DeepL Write β が公開されています. とても便利ですね.
同様のサービスは Quillbot AI があり、こちらもかなり本格的です.
Hemingway Editor は言い回しやニュアンスなどをうまく直してくれることの多いサービスです. これらのサービスを組み合わせると、英文校正などがかなりうまくできるように思います.
校正前後の文の比較には difff などを使えば、スマートに校正作業ができそうです.