Windows で バイオインフォ・デジタルパソロジー
バイオインフォマティクス(Bioinformatics)やデジタルパソロジー(digital pathology)の開発や実践をするためには、Linux (Ubuntu など)や MacOS が推奨されることが多く、Windows マシンを対象にした解説書やブログなどはあまり多くありません.
理由はいくつもありますが、バイオインフォマティクスなどに用いられるツールの多くが Linux、MacOS 対応であることや、 python や R の環境構築もやりやすいということ、インフォマティックス系の研究者の多くがそもそも Unix ユーザーや Mac ユーザーであるといったことは大きな要素と思います.
本ブログでは「Windows で Bioinformatics」「Windows で digital pathology」ができるようにする記事を書いていきたいと思います。本ブログの管理人が Windows 好きというのが理由です(普段の開発などには Windows と Linux 両者を用いています).
WSL2 を用いて Ubuntu を導入する
Windows でのバイオインフォマティクスやコーディング(coding) 環境の構築も記事にしていきますが、手っ取り早く、Windows マシンに Linux を入れてしまえば多くの Linux 用の環境・ツールが使えます。最新の Windows11(2023/01/15 現在)には WSL2 (Windows Subsystem for Linux 2)という Windows マシンで Linux を使用できるようにするシステムが搭載されています(マイクロソフトの公式説明はこちら).
WSL2はパフォーマンスも高い他、Windows マシンで走ることから様々な便利なことがあります(Windows の GUI を用いることができる。ファイルの共有が楽など). この記事では、Windows11 マシンに Ubuntu をインストールする方法を記します. 非常に簡単です.
WSL2 への Ubuntu のインストール
1. Windows11 マシンのタスクバーの検索窓に PowerShell と入力する.
すると、Windows PowerShell というアプリが候補にあがるので、右クリックをして 「管理者として実行」を選び左クリック. 許可を求める画面がでるので「はい」を選択する. すると 「管理者: Windows PowerShell」という Window が開く.
2. 以下のコマンドを入力する
wsl --install
すると、デフォルトに設定されている Linux ディストリビューションがインストールされる. 2023年1月15日 現在、Ubuntu が設定されている. (他のディストリビューションをインストールしたい場合には -d オプションを使うが、別途記事にする).
3.完了すると、Windows を再起動するように促されるので、再起動する.
4. 再起動後に自動で Ubuntu が起動し、コマンドラインが表示される.
5. ユーザー名とパスワードを設定する.
ユーザー名は pathology などのように短い単語がお勧め.
パスワードは入力しても画面には表示されない. 2回の入力が要求される.
これで、Ubuntu がインストールされた.
6. 1.同様に PowerShell を起動して以下のコマンドでインストールを確認できる.
wsl -l -v
7. 以降、Windows11 マシンのタスクバーの検索窓に Ubuntu と入力すれば Ubuntu が起動できるようになる(実行中に Ubuntu アイコンがタスクバーに表示されるのでタスクバーにピン止めしておくと起動が楽).
このように非常に簡単に Ubuntu を Windows11 にインストールできます.
Ubuntu でできることはだいたいできるようになります.
Windows からの Ubuntu ファイルへのアクセス法、Ubuntu からの Windows ファイルへのアクセス法や、Ubuntu の基本についても引き続き記事にしていきます.